環境の形成過程に関する考察

ポケモン研究論文

環境とは何か

ポケモンにおける「環境」と聞いて皆さんは何を思い浮かべるだろうか。たいていの人は対戦環境のことを思い浮かべるのではなかろうか。その「環境」によって強いポケモン、弱いポケモンが決められ、それに沿ったパーティ構築がなされる。

では、いったい「環境」というのはどのように形成されるのか。考察していく。

環境の定義

考察するにはまず考察対象の定義が必要だ(この場合は環境の定義となる)。本論文では以下を環境の定義とする。

レーティング対戦等勝利や強さを求める対戦において生じる、主に使用率の高いポケモンによって形成されるもの

正確に定義するのは非常に難しいのだが、大体このような感じだろう。厳密に言えば、使用率の高いポケモンに対してメタとして採用されるポケモンもまた環境なのかもしれない。どこまでを「環境」とするかは個々人で異なるだろうが、本論文では初期環境(純粋に強いポケモンが使われており、メタがまだ不在の環境)を、形成過程の出発点として定義したい。

環境の形成

初期環境の定義が済んだところで、次はどのようにして最終的な環境が形成されていくのかを考察していく。厳密には完全に動きのない環境というのはない(あるとすれば皆が全く持ち物や構成まで同じパーティを使うことになってしまう)ため、ここではある程度収束された環境を最終的な環境とする

環境というのはまず初期環境から始まる。これは前述の通り、純粋に強いポケモン(例えば種族値が良かったり、特性が良かったり)が蔓延している環境のことである。

だが、この環境はずっとは続かない。その強いポケモンも完全に強いわけではなく、どうしても相性が悪く、弱い相手というものが存在する。そこで、強いポケモンに徹底的に強くした、いわゆるメタポケモンというものがパーティに組み込まれてくるようになってくる。ここで環境が変化する。

こうして変化した環境もまた長くは続かない。今度はそのメタポケモンに対するメタポケモンが登場する他、メタポケモンに対応できるように練られた前述の純粋に強いポケモンがまた台頭する。ここで再び環境が変化する。

このようにして環境の変化を何度も重ね、最終的にバランスが取れていき、最終的な環境へと収束していく。

実際の例

ここまでは概念的な話であり、実例に欠けているため、ここでは実際の例をいくつか扱っていこうと思う。

例:ガブリアスとエアームド

 

 

 

まず一番有名かつ分かりやすい例として、ガブリアスとエアームドの関係を取り上げてみたいと思う。

ガブリアスが登場した第四世代当時はその強さがすぐに注目され、ガブリアスを中心に環境が出来上がった。これが初期環境である。

そしてそのガブリアスに対するメタポケモンとしてエアームド(ガブリアスのメイン技をことごとく抑える)が採用されるようになった。これが一度目の変化を迎えた環境である。

そのエアームドを突破するべく、ガブリアスにだいもんじを搭載するケース(メタポケモンに対応できるように練られた純粋に強いポケモン)や、じりょくジバコイル(メタポケモンに対するメタポケモン)と組み合わせて採用するケースが増えた。これが更に変化を迎えた環境である。

その後もだいもんじ搭載ガブリアスにも強く出られるドータクンが採用されたり、何気ないポケモンにも氷技が採用されたりした。

こういったことを繰り返し、第四世代の環境は形作られていった。

例:メガガルーラとゴツゴツメット

 

 

 

 

続いてアイテムが環境を変えた例として、メガガルーラとゴツゴツメットの例を取り上げたい。

メガガルーラも、登場した第六世代にすぐさま注目されたポケモンである。メガシンカを行うことによって当時1.5倍の威力で技を打つことができ、種族値も無駄がないなど、まさに無敵の存在であった。もちろんメガガルーラを中心に環境が形成されていった。これが初期環境である。

ここからが先ほどの例とは異なるのだが、ここでメガガルーラに対するメタとして広く普及したのがゴツゴツメットなのである。なんとアイテムがメタとして環境に登場したのである。当時のメガガルーラは全くといって良いほど隙が無かったが、強みであり同時に唯一の弱点となるのが2回攻撃であった。メガガルーラは接触技がほとんどであったため、ゴツゴツメットを採用することで2度スリップダメージを与えることができるのである。ここで環境が変わることとなる。

もちろんこの脅威に対してメガガルーラが対策をしないわけもなく、今度は非接触技であるいわなだれが普及していった。当初は全く採用されていなかったものの、ゴツゴツメットが普及した環境に適応するために取り入れられたのである。このいわなだれ搭載メガガルーラこそがメタポケモンに対応できるように練られた純粋に強いポケモンである。

その後メガガルーラを強く意識した構成をパーティ単位で組んだり、それにメガガルーラ側も対処したりといった攻防が繰り広げられ、環境が収束していくこととなる。

ただ、メガガルーラは非常に強力であり、ゴツゴツメットを利用した立ち回りの工夫による抵抗があったものの、最終的な環境にもメガガルーラはトップメタとして君臨していた。

総括

本論文で考察を行ったように、環境というものは様々な要因が重なって、非常に複雑に形成されていくものである。

それと同時に環境というものはとても重要であり、環境を分析することが勝利に直結することも多い。

バトルで勝ちたいと願うのであれば、環境分析が欠かせないであろう。それと共にいち早く環境に刺さるポケモンやアイテムを見つけることも秘訣となる。

ここで取り上げた他にも特性や努力値、技構成(代表的な例としてはめざめるパワーなど)も環境要因となり得るので、幅広く見つめていきたいものである。

 

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